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キッチンについて考える

女性にとってもっとも関心が高く、あれこれ悩むのがキッチン。

その昔、家の中で一番条件の悪い場所にあったキッチンは、どんどんと日当たりのよい場所に進出し、オープンになり、現在では家の主役、中心的な存在になってきています。

女性の声がキッチンを変化させてきたといえます。作り手も女性に気に入ってもらうため力を入れ、メーカーは使いやすさ、掃除のしやすさ、そして美しさを追求しています。

キッチンの設計においては、他の場所以上に、インテリアとしてのデザイン性と、[料理をする][片付ける]といった作業性を両立させることがカギとなります。キッチンをどう使いたいのか、どんな空間に設置するのか。調理スタイルや家族の生活に合わせ、大胆かつ繊細に作っていきたい場所です。

使いやすいキッチンにするには

料理をするのが好きな人も、嫌いな人も、だれもが無駄な労力を使わず、手際よく調理・片付けができることが大切です。

使いやすいキッチンは、【スペース配分】【高さ】【冷蔵庫や食器棚などとの位置関係】で決まります。

【スペース配分】

キッチンは、シンク、加熱調理器(コンロ)、作業スペースで構成されています。

横一列に並んでいるのがI型キッチン。キッチンの基本形です。その他にL型、U型、Ⅱ型があります。

いずれの形にするにしても、 【冷蔵庫から食材を取り出す】→【洗う】→【刻む】→【加熱する】といった、一連の動作がスムーズに行えるかどうかがポイントです。

【シンク横のスペース】

シンクとコンロの間の作業スペースは、まな板の寸法を目安にします。

標準的なまな板の寸法は、巾40センチ程度なので、作業スペースはプラス20センチとして合計60センチは欲しいところ。火を使わないIHクッキングヒーターなら、ヒーター上も作業スペースになります。また、コンロの脇も活用することができ、調味料などを置くことができます。

同じサイズのキッチンでも、小さいシンクを選択することで、作業スペースを広げることができるものもあります。

実際の調理作業を追いながら、どこでどのくらいのスペースを必要とするのか、把握しておきましょう。

キッチンは広ければいい?

料理をするスペース確保が大切だからといっても、広過ぎるキッチンは逆効果。

たとえば、I型キッチンで長さが3mを超えるようだと、料理をするのにシンクからコンロ、右へ左へとムダに動くことになり、かえって疲れてしまいます。

同じ作業をするときに、2・3歩必要なのと、1歩踏み出すだけなのと、どちらがラクでしょうか?

同じ作業なら、少ない動きで行える方が、身体への負担が少なく、疲れにくい上、作業にかかる時間も短縮できます。作業の際の動きと距離を考えて、シンク、コンロ、作業スペース、そして冷蔵庫の良好な関係を作るようにします。

みんなが開ける冷蔵庫

冷蔵庫の配置はダイニングへの出入り側にするのを基本にしています。それは料理をしない人でも、冷蔵庫にだけは足が向くからです。おのずとシンクの位置もダイニングへの出入り側にもっていきます。

オープンキッチン、セミオープンキッチン、クローズドキッチンなどのキッチンスタイルと、I型、L型、U型、Ⅱ型キッチンの組合せでできる様々なキッチンを、どう構成していくかで、使い勝手が格段と違ってきます。

使いやすい「高さ」を選ぶ

食事の支度・片付けで腰が痛くなる、疲れるのは、キッチンの高さに問題があります。

標準のキッチン高さは85センチ。最近は、キッチンの高さを選択できるようになりました。

目安は、【身長÷2+5cm】

それでも家族全員に合わせるのは、ちょっと難しい。例えば、標準サイズでも背の低いおばあちゃんには高すぎますし、背の高い男性には低すぎます。

高さ選びに大事なのは、誰を基準にするのか、ということ。いちばんキッチンに立つことが多い主婦を基準にするのか、男性陣もキッチンに立ちやすい高さを基準にするのか。

ここで覚えておきたいのは、高さを自分に合わせる工夫。少し高いな、という場合は、加熱調理器をIHクッキングヒーターにすれば、ガスコンロの五徳の分だけ低くなり、鍋を持ち上げなくてもすみます。底の厚いスリッパを履けば、自分の背が高くなります。 低い場合は、まな板を厚いものにするなど。

いずれにしろ、自分に合う高さじゃないと、作業性は悪く、身体には負担がかかります。適した作業高さを選ぶことと、高さを調整することは、快適なキッチン選びの、大事なポイントになります。

キッチンスタイルを決めるとき

今はオープンなキッチンが主流です。

オープンスタイルは、ダイニングと一体となって、とても開放的で広々とした空間になるのが魅力です。

でも、ただオープンにすればいい訳ではありません。毎日の生活の中でのキッチンは、ショールームのように、いつも澄ました顔をしてくれる訳ではないからです。

キッチンは、朝・昼・晩、煩雑な仕事が行われるところ。実際の生活では、汚れ・煙・匂い・音・ゴミの問題がついて回る場所です。家の中でいちばん汚れやすい場所だからこそ、生活の実態をイメージすることが大切です。

どんなキッチンスタイル(オープン、セミオープン、クローズド、セミクローズド)を選択するか、ダイニング・リビングからどのように見せ、何をどう隠すかがデザイン力です。平面構成、視線を意識して、オリジナルスタイルのキッチンを。

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住まいについて

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