リビングについて考える
リビングでのライフスタイルをイメージするとき、ふたつの光景が目に浮かびます。
ひとつは、ゆったりとソファに腰を下ろし、談笑する姿であり、誰かを招く応接間的なイメージのリビング。そしてもうひとつが、テレビの前で何をするわけでもなくゴロゴロしている姿であり、お茶の間、ファミリールームとしてのリビング。
あなたのイメージするリビングとは?そして、今の家のリビングは?
リビングは何をする場所?
リビングとは何をする部屋なのでしょうか。リビングでよく使われるのは、「くつろぐ」という言葉。「だんらん」という言葉もよく使いますね。でもこの言葉、漠然としすぎていて具体的なイメージが湧かない言葉ではありませんか?
たとえば、ご飯を食べる・おやつを食べる(ダイニングのような使い方です)・テレビを見る(シアタールーム)・子どもが宿題をする(子ども部屋、勉強部屋)・ウトウトうたた寝をする(寝室)・お客さんをもてなす(応接間)などなど…具体的に考えてみると、リビングとは実にいろいろな行動の場であることを実感します。
プランニングの際は、「くつろぐ」という抽象的な言葉を、具体的な行為に置き換えていきましょう。ひとつひとつ具体的にイメージすると、「くつろぐ」とは、決して単体の行為ではないことに気付きます。つまり「くつろぐ」場所とは、日常の中で実に雑多な目的に使われる“何でも部屋”であるということ。家にいる時に、何となくいる場所がリビングであり、何となく全ての用事が済ませられる懐の深さが求められるということです。
みんなが居たくなる場所に。
リビングの設計は、なんとなく家族みんなが居たくなる場所になるか?が勝負。
実際には、ダイニングやキッチンとのつながりを考え合わせて、みんなが自然に集まる場所を考えることになります。
モデルハウスで見るリビングのイメージを再現しようなどとは思わず、普段自分はどうやって「くつろいで」いるのかを振り返ってみましょう。ソファに座るよりも、寝転んだ方がリラックスできる人も多いですし、冬にはこたつがいい、という人も多いでしょう。大切なのは、家族がリラックスできるかどうか、ということ。それをベースにしておかないと、格好ばかりはいいけれども家族が寄り付かない空間になってしまいます。