ダイニングについて考える
ダイニングルームとは、食事をする部屋のことですが、日本ではもともと、食事のためだけに独立した部屋はありません。また、今でもダイニングルームを独立させてを設計することはまずありませんし、食事をするためだけに使うスペースとして考えることもしません。ダイニングは常に、キッチンやリビングと合わせて考えられるのが普通です。
カナメを担うのが、ダイニング
キッチンと一緒になったダイニングキッチン(DK)、リビングとひとつの空間になったリビングダイニング(LD)。キッチンとリビング、そしてダイニングをひとまとめにしたリビングダイニングキッチン(LDK)。
設計の際には、ダイニングを、キッチンともリビングともつながるカナメのポジションとして捉え、ダイニングの考え方(過ごし方)で、LDKのバランスに強弱をつけ、ゆとりを作り出していきます。
たとえば夫婦二人の場合、ダイニングテーブル代わりにキッチンに向かい合ったテーブルカウンターを作り付け、リビング側にゆとりを作って広々と使う。逆に、椅子の方が楽だったり、食事の場でそのままくつろぎたいといった場合は、ダイニングテーブルと椅子を少しだけ低くし、ダイニングをリビングとしても使えるようにすることもあります。普段、リビングに重心を置く暮らし方なのか、ダイニングに重心を置く暮らし方なのか、どちらが楽なのかを考えると、ダイニングのイメージがしやすくなります。
ダイニングテーブル、どう使う?
ダイニングは、決して食事をするだけの場ではありません。
調理中には作業台代わり、ママ友とお茶をしながらのお喋りを楽しむカフェ代わり、子どもが宿題をする時は勉強机の代わりになったり、ちょっとしたアイロンがけや家計簿をつけたり・・・など、食事以外にもいろいろなシーンが浮かびます。
役割を兼ねることは、省スペースを考える際にはとっても重要なことです。
ダイニングは、家族の活動の中心の場。家族みんながいろいろな用途で使うテーブルが、「ダイニングテーブル」です。そう位置づけて考えると、調理台・食卓として使う時の調味料のほか、電卓・ペンなどの文房具、読みかけの本やフリーペーパー、新聞、割引クーポンの付いた折り込みチラシ、裁縫道具、子どもの勉強道具・おやつなど、こまごまとしたものの収納を設計に盛り込んでいくことで、使い勝手のよいスペースになります。
暮らし方に合わせて、テーブルと椅子の形状、サイズを選びましょう。
ダイニングテーブルサイズ例
教えてください
新居で手持ちのダイニングテーブルを使おうと思っている場合も、新居ができたら購入しようと考えている場合も、どんな形・大きさのテーブルなのかは、設計の際には知っておきたい事です。テーブルと椅子は意外に場所をとりますし、向きをどうするかで、キッチン、リビングとの関係がまるで違ってしまいます。まずは、ダイニングをどう考えているか、どう使いたいのかを意識することから始めましょう。