和室について考える
和室は「とりあえず」つくられる?
最先端の住まいを謳うマンションでも、3LDK・4LDKの間取りには必ず和室と標記してある部屋があります。もっとも、本格的和室ではなく、フローリングの代わりに畳を敷き、和紙調のクロスを貼った部屋と言ったほうがいいかもしれません。
分譲マンション・分譲住宅を設計するとき、和室を作るか作らないか、いつも悩むところ。結局、これといった答えは見つからず、とりあえず無難に?和室を設けてしまいます。
お年寄りは和室、とは限らない
応接、法事・慶事などのかしこまった席のために、伝統様式を重んずる和室が欲しいという人は、近頃ではまずお目にかかることはありません。ただ、「将来親と同居するかもしれないから・・・」と和室を要望する若い人は結構多い。“年寄りは和室の方がいい”という、ステレオタイプな考えを持っているのです。
年を取ると、足腰を悪くする人が多く、寝起きはベッドの方が負担がかからず快適です。ベッドなら、布団の上げ下ろしをすることもありません。また、介護となれば、ベッドでないと介護する方もされる方も大変です。使い勝手のことだけを考えると、和室より洋室に軍配が上がります。
フリースタイルで取り入れる
若い人が自分のために和室をリクエストすることがあります。和っぽいイメージ、ゴロゴロするのが好きというのが主な理由です。こんな時はリビングの一角に置きタタミでコーナーをデザインして、畳の雰囲気・肌ざわり、使い勝手の良さを取り入れます。この場合、和室というよりは、床材の選択のひとつとして畳を選ぶ感覚ですね。
あなたは和室はいりますか?
和室に求めるものは何でしょうか?和室が欲しいと言われたときは、どんな和室をイメージしているのか、しっかり話をすることが必要だと思っています。