モッタイナイ精神で
紆余曲折を経て
床を組み、間仕切り壁を立て、1階部分に小さな部屋をつくる。トイレと給湯兼洗面室だ。
写真右がトイレ、左が給湯兼洗面室。石膏ボードに塗装仕上げとする。
古びた板壁と土間の暗い色調に映えるよう、真っ白な壁にしよう。
壁内には、断熱材を充填する。
トイレの音は漏らしたくないから、念入りに断熱材を詰める。
羊毛断熱材とグラスウールミックスなのは、工事で余った断熱材を使っているから。
アノ手コノ手の、節約工事
インフラ整備に費用がかかる分、節約できる箇所はとことん節約したい。
給湯兼洗面室に置くシンクは、かつて某マンションのモデルルームで展示されていた洗面台を流用。
モデルルーム解体後、モッタイナイからと倉庫でずっとホコリを被っていたものが、やっと陽の目を見たかたちだ。
本当はステンレスの業務用シンクなんかを入れて気取ってみたいところだが、この洗面台、幅1500㎜の大型タイプで、洗面手洗いはもちろん、食器等の洗い物にも使い勝手が良さそうな形状だ。
水栓だけは洗い物がしやすいように、高さと長さがあって、左右に振り幅のある物に取り替えた。
トイレの床はタイル仕上げ。このタイルも某邸床タイルの余り。
便器はパナソニック電工のアラウーノ。トイレはデッドストックがなく、泣く泣く新品を入れた。
2階の床は、老朽化した板張りの床の上からベニヤ板を貼り、簡易的に補修がしてあった。
が、平衡が保たれておらず、歩くと身体がフワフワし、酔いを感じる状態だった。
2階の最重要課題は、強度があり平らな床をつくることだ。そこで、ベニヤの上にさらに床を組む。
ここで問題となるのは、床の仕上げ材だ。
やはり木材で仕上げたいが、住宅用のフローリングでは華奢で上品過ぎてこの空間には全く合わない。 かといって、分厚い無垢フローリングを使うとなると、費用が跳ね上がる。
床を張りたいのは給湯兼洗面室と2階部分で、ここは基本的に社外の人が立ち入らないエリアだから、できる限り安く仕上げたい。
こうなったら、床材用じゃない材料を床にしてしまえ。
普通は間柱などに使う安いパイン材を張り、塗装で仕上げることにした。
土足で使う場所だから、多少の凹凸やざらつきも問題なし。むしろそのくらいの方が壁や天井ともしっくりくる。安いとはいっても一応は無垢材だ。
というわけで、間柱を床に張り、壁と同じ色のオイルステインを塗った。
これは、ここでしか通用しない荒業。